1本の襷を繋いでいく長距離リレー「駅伝」。TV中継等を見ていると「駅伝は流れが大事」という言葉をよく耳にする。この「流れ」とは一体何なのか?正体を暴くために調査してみた。
第98回箱根駅伝の区間順位から「流れ」を感じてみたっ!
「流れに乗れている=全員が調子良く(つまり速く)走れる=全員が区間順位が良い」という仮説を立ててみた。ということで…まずは直近の大会(第98回箱根駅伝)を題材に「区間順位の推移」を調査してみた。
第98回東京箱根間往復大学駅伝競走における全大学全区間の「区間順位※総合順位ではありません」の推移をグラフにしてみた。
結論、ごちゃごちゃしていて何も分からない…。一種の現代美術のような図が出来上がった。何となく「優勝した青山学院大学の後半区間順位は全部良さそうだなぁ。」ということは分かる。
ということで…。各大学ごとに「流れ」を感じてみることに。
優勝:青山学院大学
直線型のグラフ。平均3.3位。11位以降が1つもない…。さすが優勝校。
2位:順天堂大学
3位:駒澤大学
4位:東洋大学
右肩上がり型のグラフ。後半怒涛の追い上げで定位置3位まであと一歩。
5位:東京国際大学
6位:中央大学
W字型のグラフ。区間5位前後が多め。ところどころで大爆走。
7位:創価大学
ギザギザ型のグラフ。エースがきっちりお仕事。
8位:國學院大学
M字型のグラフ。復路にゲームチェンジャーが潜んでいた。
9位:帝京大学
ギザギザ型のグラフ。3区と5区を走った4年生の好走が光る。
10位:法政大学
ギザギザ型のグラフ。直線型と思いきや、復路はシード争いの戦いの痕跡が…。
11位:東海大学
逆N字型のグラフ。山で流れが変わった典型的な例。
12位:神奈川大学
第13位:早稲田大学
M字型のグラフ。平地区間できっちりお仕事。
第14位:明治大学
M字型のグラフ。復路で怒涛の追い上げ。
第15位:国士館大学
U字型のグラフ。2区9区はもちろん、実はレース中盤も粘っている。
第16位:中央学院大学
ギザギザ型のグラフ。1区出遅れるも粘り続けた結果。
第17位:日本体育大学
第18位:山梨学院大学
W字型のグラフ。エース、山などところどころで好走。
第19位:駿河台大学
ギザギザ型のグラフ。初出場とは思えない好走をする選手がちらほら。
第20位:専修大学
逆N字型のグラフ。1区好走の流れをどう繋げていくかが今後の課題?
なんとなく見えてきたこと
箱根駅伝を何度も見ている駅伝ファンにとっては当たり前のことかもしれないが…。
- 優勝校は安定して全員が区間順位高い
- 1区2区→3区は流れが変わりやすい
- 5区も(おそらく山という特殊区間のため)流れが変わりやすい
- 6区も(山且つ往路成績次第で一斉スタートになるため)流れが変わりやすい
- 10区の区間順位と総合順位はかけ離れやすい
ということがなんとなく見えてきた。以降グラフのパターンや各区間にフォーカスしながら引き続き研究を続けていこうと思う。