駒澤大学の優勝で幕を閉じた第99回箱根駅伝。改めて区間ごとに振り返ろうと思う。
1区まとめ
97回大会を思い出させるスローペースで始まった1区。ただ一人序盤から飛び出していったのはOP参加関東学生連合チームの育英大学新田選手でした。20人の集団が3分を超えるペースで大牽制するなか、新田選手は2分50秒ちょっとのペースを淡々と刻みます。その結果…新田選手と20人の集団は新八ツ山橋(7.8km地点)時点で1分20秒程度差が開いてしまいます。ただ、このままで終わらないのが1区を任された実力のあるランナーたち。10キロあたりから20人の集団も国士舘大学綱島選手を中心に少しずつペースアップ。新田選手との差をじわじわと詰めていきます。その中で、専修大学、立教大学、東海大学、東洋大学と集団からこぼれ始める大学が…。そして迎えた六郷橋。やはりレースはここで動きました。六郷橋の終わり、仕掛けたのは明治大学富田選手。そしてついていく駒澤大学円選手。ついに、育英大学新田選手を捉えます。新田選手は富田選手、円選手に抜かれたものの、勇気ある走りで箱根駅伝ファンを楽しませてくれました。3位〜16位が30秒以内とあまり差がつかなかった1区。勝負は2区へと続いていきます。
▼区間記録
順位 | 大学名 | 選手名 | 区間記録 |
1位 | 明治 | 富田峻平 | 1:02:44 |
2位 | 駒澤 | 円健介 | 1:02:53 |
OP参加 | 育英 | 新田颯 | 1:02:59 |
3位 | 法政 | 松永伶 | 1:03:00 |
4位 | 中央 | 溜池一太 | 1:03:02 |
5位 | 創価 | 横山魁哉 | 1:03:02 |
6位 | 順天堂 | 野村優作 | 1:03:03 |
7位 | 青山学院 | 目片将大 | 1:03:04 |
8位 | 山梨学院 | 木山達哉 | 1:03:05 |
9位 | 日本体育 | 山崎丞 | 1:03:08 |
10位 | 東京国際 | 山谷昌也 | 1:03:09 |
11位 | 城西 | 野村颯斗 | 1:03:13 |
12位 | 國學院 | 青木瑠郁 | 1:03:16 |
13位 | 国士舘 | 綱島辰弥 | 1:03:17 |
14位 | 早稲田 | 間瀬田純平 | 1:03:23 |
15位 | 大東文化 | 久保田徹 | 1:03:24 |
16位 | 帝京 | 小野隆一朗 | 1:03:30 |
17位 | 東洋 | 児玉悠輔 | 1:03:40 |
18位 | 立教 | 林虎大朗 | 1:04:05 |
19位 | 東海 | 梶谷優斗 | 1:04:07 |
20位 | 専修 | 千代島宗汰 | 1:04:29 |
1区余談
毎年20台後半の視聴率を叩き出す注目度の高い箱根駅伝。大学の宣伝としても影響力もあることでしょう。1区(スタートから1区全選手の襷リレーが終わるまで)について、「大学名を呼ばれた回数」と「選手名(名前)が呼ばれた回数」をカウントしてみました。(ちなみに人力カウントのため多少のズレがある可能性ございます。)
大学名を呼ばれた回数は、区間賞を獲得した明治大学がトップ。次いで区間2位だった駒澤大学。レース後半までトップを独走していた育英大学は16回。ちなみに「関東学生連合チーム」が呼ばれた回数が24回で、大学名ではなくチーム名で実況が入ることも多かったのでやや少なめの結果に。その他優勝候補の青山学院大学、20人の集団を引っ張っていた中央大学や国士舘大学が多めに大学名を呼ばれました。
注目するべきは名前を呼ばれた回数。なんと育英大学の新田選手が50回を超えてダントツ。ちなみに98回大会の往路中継にてY.ヴィンセント選手が名前を呼ばれた回数より多い結果に。(詳しくはこちら。)関東学生連合チームはOP参加のため記録には残りませんが、物理的にも(そして走りのエネルギー的にも)多くの人の記憶に残ったことでしょう。
1区勝手に表彰式
MVP:新田颯選手(育英大学)/言わずもがな
影のMVP:綱島辰弥選手(国士舘大学)/スローペースの集団を引っ張る
ワープ賞:松永伶選手(法政大学)/六郷橋で遅れだしたはずなのに中継所でワープする
ネバネバ賞:児玉悠輔(東洋大学)/六郷橋前で遅れるも粘りの走りでほぼ集団に近い位置で襷リレー
良い試みだったで賞:選手紹介にて顔写真/分かりやすくて良かった
美術賞:立教大学/襷の色は「江戸むらさき」