駒澤大学の優勝で幕を閉じた第99回箱根駅伝。改めて区間ごとに振り返ろうと思う。
2区まとめ
田澤選手、近藤選手、三浦選手、吉居選手…豪華すぎる2区。1区1位で滑り出した明治の小澤選手がトップを走る後方では、駒澤の田澤選手に中央の吉居選手が追いつき2位グループを形成していた。2km付近で吉居選手は田澤選手を置き去りにすると、3km付近で小澤選手に追いつきトップに躍り出た。序盤からワクワクするレース展開に。4位集団は創価のムルワ選手、山梨学院のムルア選手、順天堂の三浦選手が形成、その後ろに法政の内田選手、その更に後ろに青山学院の近藤選手。更に更にその後ろ、9位集団は日体大の藤本選手、東京国際の丹所選手が形成、その集団に國學院の平林選手が近付こうとしていた。7km付近、近藤選手がじわじわと追い上げていく。8km過ぎ、田澤選手が2位に浮上、吉居選手を追いかけていく。9km過ぎ、近藤選手がムルワ選手、ムルア選手の4位集団に追いつく。どの大学が鶴見中継所をトップで通過するのか…全く分からない展開に。12km過ぎ権太坂手前、2区の経験者田澤が吉居に追いつき抜き返す。単独トップに。その後方では14km付近、近藤選手が単独3位に。そしてそのまま吉居に追いつきます。ここで99回大会箱根駅伝の名場面…幼馴染の吉居選手に近藤選手が「ついてこい」と合図。後方でもエースたちが力走。東海の石原選手は1区の遅れを取り戻す快走を見せます。國學院の平林選手も各大学のエースたちを次々と抜いていき順位を上げます。19km過ぎ吉居選手がペースアップ、近藤選手もついていきます。ここから激しい三つ巴の区間賞争い&1位争いが始まります。疲れてきた近藤選手。遅れてきた近藤選手。必死に追い上げる吉居選手…2区の争いを制したのは中央吉居選手でした。藤原監督からも「区間賞だ!」という声が。3秒差の2位で飛び込んだのは田澤選手。そこから1秒差で近藤選手。最高のエース対決となった。
▼区間記録
順位 | 大学名 | 選手名 | 区間記録 |
1位 | 中央 | 吉居大和 | 1:06:22 |
2位 | 青山学院 | 近藤幸太郎 | 1:06:24 |
3位 | 駒澤 | 田澤廉 | 1:06:34 |
4位 | 東海 | 石原翔太郎 | 1:07:09 |
5位 | 山梨学院 | B.ムルア | 1:07:22 |
6位 | 創価 | P.ムルワ | 1:07:29 |
7位 | 國學院 | 平林清澄 | 1:07:32 |
8位 | 法政 | 内田隼太 | 1:07:53 |
9位 | 国士舘 | P.カマウ | 1:07:54 |
10位 | 早稲田 | 石塚陽士 | 1:08:05 |
11位 | 東京国際 | 丹所健 | 1:08:06 |
12位 | 順天堂 | 三浦龍司 | 1:08:11 |
13位 | 日本体育 | 藤本珠輝 | 1:08:11 |
14位 | 明治 | 小澤大輝 | 1:08:43 |
15位 | 城西 | 斎藤将也 | 1:08:46 |
16位 | 専修 | D.キサイサ | 1:09:05 |
17位 | 帝京 | 西脇翔太 | 1:09:13 |
18位 | 立教 | 國安広人 | 1:09:37 |
19位 | 東洋 | 石田洸介 | 1:10:04 |
OP参加 | 麗沢 | 工藤大和 | 1:10:07 |
20位 | 大東文化 | P.ワンジル | 1:11:35 |
▼鶴見通過順位整理
順位 | 大学名 |
1位 | 中央 |
2位 | 駒澤 |
3位 | 青山学院 |
4位 | 山梨学院 |
5位 | 創価 |
6位 | 國學院 |
7位 | 法政 |
8位 | 国士舘 |
9位 | 順天堂 |
10位 | 東京国際 |
11位 | 東海 |
12位 | 日本体育 |
13位 | 明治 |
14位 | 早稲田 |
15位 | 城西 |
16位 | 帝京 |
OP参加 | 関東学生連合 |
17位 | 専修 |
18位 | 立教 |
19位 | 東洋 |
20位 | 大東文化 |
2区余談
当たり前と言えば当たり前かもしれませんが…2区で日本人トップを獲得した選手は実業団でも活躍している選手が多いです。直近10大会だけを見てみると、およそ半分の選手がオリンピックや世界陸上に出場しています。外国人留学生選手も多く走る2区。箱根から世界へ。2区は世界大会への入り口なのかもしれません。
▼過去10大会の2区日本人トップ獲得者の活躍
大会 | 日本人トップ | オリンピック・世界陸上等の活躍 |
99回大会 | 吉居大和 | |
98回大会 | 田澤廉 | 世界陸上(22オレゴン) |
97回大会 | 池田耀平 | |
96回大会 | 相澤晃 | オリンピック(20東京) |
95回大会 | 塩尻和也 | オリンピック(16リオ) |
94回大会 | 森田歩希 | |
93回大会 | 鈴木健吾 | マラソン日本記録保持者 世界陸上(22オレゴン※欠場) |
92回大会 | 服部勇馬 | オリンピック(20東京) |
91回大会 | 服部勇馬 | オリンピック(20東京) |
90回大会 | 高田康暉 |
2区勝手に表彰式
歴史に残る名シーン賞:吉居大和選手(中央大学)・田澤廉選手(駒澤大学)・近藤幸太郎選手(青山学院大学)/本当にすごい戦いだった…
チームの救世主賞:石原翔太郎選手(東海大学)/19位から11位へ
名前賞:B.ムルア選手(山梨学院大学)・P.ムルワ(創価大学)/名前が似ている(しかもほぼ並走)